片耳難聴レクチャー第2回【in横浜】イベントレポート

2020年4月10日 − Written by きこいろ編集部
レクチャー講師を務める代表岡野

2019年11月2日 in 神奈川県横浜市
2回目の片耳難聴レクチャーを行いました(片耳難聴Cafe同時開催)

1. 片耳難聴レクチャーって?

「片耳難聴について、知っているようで知らなくて」というご本人や
「Dr.からは“大丈夫”と言われたけど、もう少し詳しく知りたい」ご家族、
「仕事で片耳難聴を持つ方に関わることがあるから、理解を深めたい」関係職種の方。 
そんなリクエストを受け、片耳難聴Cafe(交流会)に加えて
レクチャー(勉強会)、ミニ個別相談会を始めました。

前半1.5時間はレクチャーで片耳難聴を中心に聞こえの知識を深め、後半2時間でグループでのおしゃべり(片耳難聴Cafe)と、個々の相談に分かれて行っています。

詳しくはこちら
「片耳難聴レクチャー」
「片耳難聴Cafe」

2.参加者よりレポート

ご本人・家族・お仕事で関わる人などレクチャーに20名、Cafeに8名の参加者でした。

今回は「より参加者目線でのレポートを!」ということで、参加者のはろさん(20代・女性)にレポートを作成いただきました。

(1)参加した理由

これまでは周りに片耳難聴の知り合いがいませんでした。
片耳が聴こえず困っても、1人でどうにかしてきました。そのため「他の片耳難聴の人と話したい、話しを聞きたい」と思って参加しました。

企画者の「きこいろ」の皆さんには直接お会いしたことはありませんでしたが、普段からTwitterで様子がなんとなく分かっていて安心して申し込みました。

(2)レクチャーを通して

一番心に残っていることは、きこいろ代表(当事者・言語聴覚士)岡野さんの「いつも困っているわけではない。でも “片耳聞こえているから大丈夫でしょ” とも思われたくない」という言葉です。

この言葉は、片耳難聴なのは自分が悪いから、どうにかしないと..迷惑かけないようにしないと..と思っていた僕にとって衝撃を与えました。「“大丈夫じゃない”って思うのは、僕だけじゃないんだ」と心が軽くなりました。

他の参加者さんの片耳難聴の日常に “あるある”と感じる箇所で頷いている様子を実際に目にしたことで、安心感を覚えました。会場にいるほとんどの人が、自分と同じように片耳が聴こえないのだと思えるだけで心強く、独り片耳難聴の自分が、聞こえる人たち大勢の中にいる時に感じる不安のようなものが和らいでいきました。

また、片耳難聴になる原因がいくつかあるらしいのは知っていましたが、詳細なデータは初めて見ました。把握されているデータの中では、自分と同じタイプ(真珠腫性中耳炎)の人は少なく、そのことにも驚きました。

僕は、これまであまり自分の病気について調べることありませんでした。でも、今回さまざまな情報を聞く中で、病気・片耳難聴のことを受け止め切れていなかった自分に気がつき、初めて「もっと調べてみよう」という気持ちが沸いてきた時間となりました。

(3)Cafeで印象の残ったこと

片耳難聴Cafeでは、参加者の皆さんが聴こえないことを受け止め、ポジティブに捉えている様子が印象的でした。

僕は「迷惑をかけている。他の人と同じように聴くための努力をしないと、社会ではやっていけないんだ」という葛藤が強くあります。人に「聴こえない」と伝えるのが苦手で、積極的に伝えることができていませんでした。

そのため、聴こえなさをポジティブに受け入れ、自分の人生を自分で生きやすくしている他の参加者の姿に、驚きと、強い人達だ..と感心しました。

同じ片耳難聴でも、受け止め方や開示の仕方はそれぞれ。でも、試行錯誤してきた他の参加者のリアルな語りから、そんな在り方もあるんだ、と納得感を得ました。

生きやすい場をつくれていないのは自分がそうしていたのかも知れない..と認識すると同時に、これからは前向きに伝えていこうと思うことが出来ました。

また、希望者に提供された「ワイヤレス補聴援助システム」と「クロス補聴器」は、片耳が全く聞こえない人でも使えるデバイス(詳細:「片耳難聴に使える補聴機器」

クロス補聴器の仕組みイメージ
クロス補聴器のイメージ

試した人からは「(聞こえない方の音が)あ、え、聞こえる…!」というびっくりした声。
みんなで、聴こえない耳側の音が存在する瞬間を分かち合いました。
特に、成人後に聴神経腫瘍によって手術をし、片耳の聴力を失われた方は、聞こえていた頃を思い出し「あぁ、この感覚だ…」思わず涙していました。

その方も、聞こえなくなった事実自体は、受け止められているとお話しはされていましたが、それまでのプロセスには様々な経験・想いがあるのでしょう。その様子に、周りの参加者もつられて涙ぐみました。

僕も感動し、自分が初めて補聴器をつけた時のことを思い出していました。少しでも聞こえる世界に近づけるのは、とても嬉しかったものです。

一方、「聞こえないからこそ、人の優しさに触れることも沢山あって良かった」と言っている方もいました。確かに、誰かに助けて貰うことがある分だけ優しさに気づける良さがあって、そして僕自身もそんな風に誰かに優しく出来る人になりたいと思いました。

その他、話されたこと

  • 伝えている?伝え方は?
  • 就職のときどうしてた?
  • 片耳難聴以外にも障害などで他にも伝えることがある、優先すべきは?
  • 聞こえにくいとき、なにかいい工夫ある?

など

約2時間のおしゃべりは、あっという間。参加する前には上手く話せるか不安もありましたが、抱えていた悩みもスッキリ。楽しい気分で帰ることが出来ました。

今まで自分の中だけで向き合っていた片耳難聴。参加したことで、具体的な知識や、同世代・先を歩んできた先輩方のお話しからも得ることが沢山ありました。企画のきこいろさん、他の参加者さま、ありがとうございました!

(編集:事務局あさの)

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