きこいろでは、片耳難聴を持つ人の交流会「片耳難聴Cafe」や勉強会「片耳難聴レクチャー」をオンラインでも行っています(使用ツールは「Zoom」)。
初めての方でも快適なオンライン通話ができるように、よくある質問や使用のコツをまとめました。
基本の準備
- 安定したインターネット環境で使用
- 静かな環境で使用
- ヘッドセッド・ミュートを活用
(1) 安定したインターネット環境で使用
インターネット環境が悪いと映像が乱れたり、音が途切れたり、聞こえくくなります。
人数が増えるほど処理も重くなり、話す側と聞く側の間にタイムラグが発生することもあります。
通信量・通信速度制限の確認も必要です。できるだけ安定した無線LANや有線LANなどの通信環境で使用しましょう。
- (参考)ビデオ通話通話通信量の目安
- 「Zoom」1時間:約300MB ※通信内容によって異なる
(2) 静かな環境で使用
使用する場所で生活音などがあると、その音もマイクが拾ってしまい相手側に聞こえてしまいます。
片耳難聴の場合は、両耳で聞く人より雑音の中での聞き分けが苦手さがあると言われています。
オンライン通話でもなるべく静かな場所で話せるように、参加者で協力しましょう。
(3) ヘッドセッドやミュートを活用
●相手に聞こえやすく
PCに内蔵のマイクでも話せますが、特に周りに音がある場所で話す場合は「ヘッドセッド(マイク付きのヘッドホン/イヤホン)」があるとよいでしょう。
雑音を拾いにくくし、自分の声をマイクから伝えられるため、相手に聞こえやすくなります。
相手側にしっかり聞こえないときは、マイクと口元の距離が遠くないかの確認と、設定でマイクの入力音量のボリュームを上げます。

また、自分が話をしない・相手の話を聞くときには、設定画面でマイクを「ミュート(消音)」に切り替えると、自分側の音は相手に聞こえなくなり、静かな環境をつくれます。

●自分を聞こえやすく
特に雑音がある場所で、ヘッドセッドを使うと自分の耳にダイレクトに音が入るため聞きやすいかもしれません。
また、「ノイズキャンセル」の機能があるヘッドセッド・イヤホンマイクを使うと、自分の周りにあるノイズ(雑音)をキャンセル(低減)してくれます。
いずれもマイク付きヘッドセッド・イヤホンは、1000・2000円程度~販売されています。
- (参考)
- ヘッドセットのおすすめ12選!ワイヤレス型も【2020年版】(暮らしを彩るモノ発見・比較サイトHIME)
視覚情報でのサポート
片耳難聴は、もう片方の正常聴力の耳で通話ができまるため、きこいろのイベントも基本的には口頭でのやりとりのみとなっています。
希望があった場合には、以下のような対応も行っています。
- 話のキーワードをテキストで共有
- リアルタイムの「文字起こしアプリ」を利用
テキストの読み取り(視覚情報の認知処理)にも個人差があります。
「聞きながら、テキストも追う」という聴覚・視覚の両方を同時に使うのに疲れる場合もあります。
中には、めまい症状がありPC画面自体を長く見る・操作し続けるのが大変と感じる人もいます。
補助的な活用も自分との相性に応じて検討が大切です。
(1) 話の流れをテキストで共有
事前に、タイムスケジュールなどをテキストで共有すると説明(聞く)時間を短縮することができ、疲れにくくなります。

話している間は、「チャット機能」を用いてキーワードのメモを共有しながら進めると、聞き逃しがあっても確認ができます。
終わった後も、主な話した内容はCafe開催レポートで確認できます。
(2) 文字起こしアプリを利用
オンラインでの会話も、アプリを入れたデバイスに聞かせることで自動的に文字化することができます。
- 音声情報をアプリのダウンロードされたスマホ/タブレット/PCに送り、文字化する
- 1対1の会話から多人数、日本語から外国語まで対応
- テキストは保存/コピーして議事録に使用することもできる
- 音声文字変換の精度には限界がある
リアルタイムに会話を可視化するアプリなどは幾つかあります。参考に2つ紹介します。
例1:UDトーク(ユーディートーク)
・詳細は公式サイト:https://udtalk.jp/
例2:Android「聴覚障がい者向けユーザー補助アプリ」
・詳細は公式サイト: https://www.android.com/intl/ja_jp/accessibility/live-transcribe/
必要な方は、事前にお伝えください。
参加者のオンライン参加の使用感
オンライン参加されたからは、
- 聞こえやすい「端ポジ」を気にしなくてもいいから気楽!
- ダイレクトにイヤホンで聞くのがよい!
- 一人一人が順番にしゃべるから分かりやすい!
など対面にはないメリットを感じる方もいらっしゃいます。一方で、
- 「難聴だからこそ聞き逃さないように..」とより集中し疲れる
- 音質が悪く、聞き取りにくいときがあってストレス
- 画面越しや顔の見えないコミュニケーションは難しい気がする
と、さまざまです。
片耳難聴Cafeや片耳難聴レクチャーは、途中休憩・参加・退室もOK。
どうぞリラックスしながらご参加ください。
片耳難聴Cafe・片耳難聴レクチャーについて
詳細や参加お申し込みは、以下のページをご覧ください。
・片耳難聴Cafe:毎月1回開催
・片耳難聴レクチャー:不定期開催