(めまいを伴う病気)片耳難聴の原因

Written by 角田 玲子

片耳難聴だけでなく、めまいでお困りの方もいませんか?
耳の器官のひとつである内耳(ないじ)には、体のバランスを担当する器官があります。
そのため、内耳の障害による難聴(詳しくはこちら)では、しばしばめまいの症状が伴うことがあります。
ここでは、「片耳難聴に関連するめまいを繰り返す病気」について、めまい相談医である角田Dr.に記事を執筆頂きました。(岡野)

1. メニエール病              

10分以上続くめまい発作を繰り返します。めまいの前後に、耳鳴り・耳づまり・難聴(片側に起こることが多い)を伴います。

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2. メニエール病と似ている病気

  • 突発性難聴
    突然起こる原因不明の感音難聴です(ほとんどが片側のみ)。めまいを伴うこともありますが、繰り返すことはありません。
  • 前庭性片頭痛(ぜんていせいへんずつう)
    片頭痛の症状の一つとして、めまいが起こる場合もあります。音への過敏さや、耳鳴りや耳閉感を伴うこともあります。
  • 良性発作性頭位めまい症(りょうせい ほっさせい とういめまいしょう)
    難聴は伴わないめまいの病気です。頭の位置を変えたときに、グルグル回るようなめまいが数秒~1分起こります。

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3. 遅発性内リンパ水腫

高度(大声で話しても聞こえない)の感音難聴があり、難聴の発症から長期間(数年以上)経ってからグルグル回るようなめまい発作をくり返します。

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4. めまいの慢性期、めまいと生活Q&A

歩行や運動で「バランス」を取り直す能力を高めることができます。調子を見ながら、転倒したときに怪我をしないような場所で積極的に身体を動かしましょう。
日常生活(車の運転や仕事など)も、安全に注意して行いましょう。

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*「内耳」とは

内耳の中のイメージ
内耳の中のイメージ
  • 内耳は、音の感覚器【蝸牛(かぎゅう)】とバランスの感覚器【前庭(ぜんてい)】の2つの感覚器から成っています。
  • 骨でできた骨迷路(こつめいろ)の中に、外リンパ液と膜迷路が入っています。膜迷路の中に、内リンパ液が入っています。
  • 蝸牛と前庭の感覚細胞は、感覚毛が倒れることで音の機械的刺激を電気信号にかえる有毛細胞です。有毛細胞の感覚毛は内リンパ液に接しています。
  • メニエール病や遅発性内リンパ水腫では、内耳の膜迷路が水ぶくれになるために、めまい(前庭)と聴力(蝸牛)の症状が一緒に起こります。

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