難聴を持つ人の全員に起こる訳ではありませんが、難聴に伴う症状として、耳鳴りや補充現象、めまいに悩む人もいます。
1. 耳鳴り

難聴のある耳に耳鳴が伴うことがあります。原因は、はっきりと解明されていません。難聴によって聞こえなくなった音を脳が補おうとして過剰に興奮した結果、頭の中で作り出された音が耳鳴と考えられています。
低い音が聞こえにくい人は「ゴー」という低い音の耳鳴が、高い音が聞こえにくい人は「キーン」という高い音の耳鳴りが、全体的に聞こえにくい人は「シャー」と色々な高さの音が混ざったような音の耳鳴がしていることが多いようです。
特に静かな場所では、耳鳴の音が大きくなったような気がします。周りに音があれば、その音でかき消されて、耳鳴が気になりにくくなります。反対に、耳鳴の音を聞こうとすればするほど、耳鳴の音は大きくなってしまいます。
耳鳴が気になる人は、特に耳鳴が気になってしまう無音の状態になるべくならないように、音楽を流したりテレビやラジオをつけたりして、耳鳴の音をかき消すようにすることがオススメです(ボリュームを上げすぎないように注意!)。
難聴側の耳ではなく、良い方の耳で気になるほどの耳鳴がする場合、また突然いつもと違う耳鳴りが起こった場合、何らかの病気のサインの可能性もあります。医療機関を受診することをお勧めします。
2. 補充現象
難聴が内耳の障害による場合、補充現象という症状を伴う場合があります。「リクルートメント(Recruitment:補充)現象」とも言いいます。音の大きさの変化に対して、音の感じ方がとても敏感になる現象のことです。
補充現象があると、正常な聞こえの人がうるさいと感じるよりも小さい音でうるさいと感じてしまい、よく聞こえる範囲が狭くなってしまいます。

難聴があって聞こえにくいはずなのに、大きい音も苦手という方も多いようです。特に苦手な音としては、例えば、子供が叫ぶ声・機械音・自動動車・スクーターの高音の排気音などが挙げられています。
原因は、内耳の中にある有毛細胞が傷つくことによって起こると言われています。治療法は、現在ありません。快適に暮らすためには、自分の聞こえの特徴を知り、大きな音がする場面を避けるようにしましょう。
3. めまい
内耳には、体のバランスを担当する半規管・前庭があります。そのため、内耳の障害による難聴では、めまいを伴うことがあるのです。
しかし、耳が原因のめまいもあれば、脳が原因のこともあります。専門の医療機関でめまいの原因を詳しく調べ、原因に合わせた治療を行うことが大切です。
