片耳難聴だと困る場面

Written by 岡野 由実

賑やかな場所で聞き取りにくい

両耳聞こえることで雑音の中でも聞きたい音にフォーカスを当てることができます(カクテルパーティー効果)。しかし、片耳難聴ではその効果が得られないため、騒がしい場面での聞き取りが難しくなります。

騒がしい場面での聞き取りにくさは、片耳難聴の困りごとの中でも最も困る場面という意見が多くあります。

聞こえに問題がない人と片耳難聴の人で場面による聞こえ方を比較した研究があり3)、6%という少しの違に見えますが、体感としては大きな違いがあるようです。

聞こえ方の違い

「聞こえにくい方から話しかけられると分からないけれど、聞こえやすい場所をキープできれば何とかなる」、「どこから声がするのか分からないけれど、キョロキョロして自分の方を向いている人を探せば何とかなる」、しかし、「騒がしい場面はカバーのしようがないので一番困る」という意見もありました。

また、発症からの期間が長い方が騒がしい場面での聞き取りが改善する4)、片耳難聴のある人では騒がしい場面で聞き取っているときの脳が活動する場所が違う5)という研究報告もあり、騒がしい場面での聞き取りに脳がだんだん慣れてくるということが分かっています。

具体的には、騒がしい場面では、どんなふうに困っているのでしょうか?

アンケート結果6

雑音下の会話への苦手意識を持つ人が多く、「できれば話しかけないで欲しい」「話したいけれど、申し訳ない」と思う人もいました。

アンケート結果7

聞こえやすい場所取りは、ほとんどの人が意識しています。

アンケート結果8

自動車の運転では、左耳難聴の人が助手席側の声が聞き取りにくくなり、右耳難聴の人は助手席に座ると運転席の人の声が聞き取りにくくなります。

アンケート結果9

にぎやかな場所で聞き取れなかったために、相手を無視するような形になり、注意されてしまう経験をしたことがある人もいました。

アンケート結果10

多くの人が、聞き取りに集中するために疲れると感じています。

3. どこから声がするのか分からない

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