片耳難聴の本棚【特別企画】読書会イベントレポ―ト

2020年10月9日 − Written by きこいろ編集部

片耳難聴Cafe 読書会レポ―ト

しゃべり場 片耳難聴Cafe。通算19回目。

9月は、いつものテーマフリーや、家族のための会に加えて
片耳難聴に関する本をテーマに「読書会」も行いました。

写真は、各回の参加者を編集したもの

昨年出版された、突発性難聴により片耳が聞こえにくくなった中学生が主人公の「蝶の羽ばたき、その先へ」を中心に話しました。

一部紹介します。

特に印象に残ったシーン

  • 結の聞こえなくなった直後のシーン
    きょう言われて、きょう認めなくちゃいけないの…(略)治るって信じて、病院に通ったんだよ。それなのにもう言わなくちゃいけないの。わたしの(片)耳は聞こえなくなりましたって、みんなに言わなくちゃいけないの。なんで?わけわかんない!」
    すごく胸にささった。
  • クラスの雑談が聞こえにくかったシーン
    みんなが笑っている姿を見ながら、わたしの気持ちはすっと落ちた…止めようがなかった」「何度も自分にいいきかせた。なぜこんなことで落ち込むんだ。けど、どうにもならない。浮上できない」
    自分にもあったなぁと共感した。
  • 両耳を中途失聴した今日子さんのセリフ
    「手話で話ができるときはいいけれど、ふだんの生活はそうはいかないでしょ。そうするとね、いままでいちばん楽しかった時間が、いちばん辛くなってしまう…(略)聞こえないことは周りに伝えてあるから、みんな気をつかってくれるの、いつもは。でも、楽しければ楽しいほど、わたしのこと忘れちゃう」。
    自分も片耳難聴で輪に入れない孤独感を経験しているはずなのに、
    それでも両耳が聞こえない知人に同じことをしてしまった時があったのを思い出した。

読書をきっかけに、
「あるある」「わかるわかる」「私の場合は、こうだった」など
それぞれの片耳難聴の体験が思い出され、大いに盛り上がりました。

本を読んでの感想

  • 難聴側から話しかけられたときなどの
    「音は聞こえているけど、言葉として聞こえにくい」感じの表現
    「●●」でも「××」でもなく、ぼやかした感じがピッタリだと思った。
  • 病気や障害を描くのは難しいとも思う。
    この物語は、ハンデを乗り越える美談やお涙頂戴的な消費コンテンツではない感じだったため、抵抗なく読みやすかった。
  • 自分も、主人公のように手話サークルや読話の教室に行ったことがあるが
    両耳が聞こえない人が多い中では、片耳難聴は聞こえる側。
    「片耳聞こえるからいいじゃない」と言われたこともあり、上手く輪に馴染めなかった。
    両耳が聞こえない人からみれば、それはその通りで。
    でも、この本のように良い仲間になれたらよかったなぁと思う。

「読書会」という初めての試みでしたが
一つの物語から、それぞれの人生の物語を語る時間になったように思います。

同じ一冊を読んでも、感想は様々。
皆さんからも、ぜひ「こんな風に読みました」など
@kikoiro宛にメッセージをお寄せください。

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