片耳難聴の場合、もう片方の耳は正常に聞こえているため
音楽を聴くことができなくなるということはありません。
音楽を楽しむ片耳難聴者が多くいる一方で、
片耳難聴によって音楽に影響を受けたという方が少なくないことも分かってきました。
そこで昨年、SNSを使って* 72名の片耳難聴のある方にアンケートを実施しました。
この記事では、片耳難聴を持つ人の
「片耳難聴に伴う音楽との関わり、聴こえの変化・順応」について調査結果をまとめました。
片耳難聴を持つ人が音楽を楽しむためのコツなどは、
こちらの記事(「片耳難聴と音楽」)も合わせてお読みください!
物心がついてからの(後天的)片耳難聴の場合
- 片耳難聴の発症直後、音楽への関わりが減り、音楽の聴こえが「不自然」「不快」「不明瞭」になりました
- 片耳難聴の発症直後と比べて、アンケート回答時点での音楽への関わり・聴こえに順応がみられました。
- 会話の際にBGMが煩わしいままだったりと、聴こえへの順応には限界がありました。
物心がつく前からの(先天的)片耳難聴の場合
- 幼少期と比べて、青年期・アンケート回答時点での音楽への関わりが増えていました(順応がみられました)。
- 後天的な片耳難聴と比較して、先天的な片耳難聴では、順応期の音楽への関わりが高い水準を示しました。一方、会話の際にBGMは煩わしいものであるなど、共通する結果もありました。
- 「健聴者との間にある聴こえの違いを自覚できないもどかしさ」といった、先天的な片耳難聴ならではの心理的状況がみられました。

- *調査に協力していただいた方々、誠にありがとうございました。
この調査ではSNSを用いたことで多くの協力を集めることができましたが - 一方で本研究の限界として、
オンラインで完結する主観調査のため、聴力測定結果など客観的な病状のデータが得られませんでした。 - 今後、客観的な病状データ収集を行い、より正確性のある研究を行う必要があります。