2020年に開催した「片耳難聴の読書会」イベントレポでは、
片耳難聴(一側性難聴・一側聾/片側聾)が出てくる4作品と、
その他の聴覚障害(両側性難聴・ろう)が出てくる6作品を一例として紹介しました。
今回は、2021以降の主な作品を紹介します。
片耳難聴の作品は少なく、主に両側性難聴にまつわるものとなります。
- あくまで物語としてのご紹介です。
情報の正確性等の保障や、作品をきこいろが推薦していることではないとご了承ください。
片耳難聴
●ハチミツとオニオン(2022-)
ある日突然、右耳が聞こえなくなってしまった高校生を描いた漫画。
きこいろ代表の岡野(言語聴覚士/片耳難聴当事者)が監修、コラムも寄稿しています。
▼6話まで更新中
https://studio.booklista.co.jp/series/092b71536ec53
※現在連載休止中
以前紹介の片耳難聴が出てくる作品
- 「蝶の羽ばたきその先へ」
突発性難聴により左耳が聞こえにくくなった中学生、結の姿を描いた児童文学。
きこいろでの作者インタビューはこちら。 - 「半分、青い。」
おたふく:ムンプス難聴によって子どもの頃に片耳難聴になった主人公。
代表岡野が監修に携わった際のエピソードはこちら。 - 「どこかでベートーヴェン」
難聴とともに活躍するピアニストを描いた、音楽×推理小説。 - 「夏雪ランデブー」
幼い頃の高熱で右耳難聴となった主人公の夫が登場する、恋愛漫画。
両耳の難聴・ろう
●silent(2022)
「若年性両側性感音難聴」という40歳未満で発症する、両耳ともに耳の奥の神経に障害が起こる病気で、徐々に聞こえなくなった主人公、
その恋人とのラブストーリー。
手話教室の講師役などは、実際にろう者の俳優が出演しています。
●ファイトソング(2022)
TBS系ドラマ。
耳の奥にできる「聴神経腫瘍※」の手術により、両耳が聞こえなくなった主人公が
幼なじみなどとの恋愛を通し、自分らしく生きていく姿を描くヒューマンラブドラマ。
作中では、聞こえを補助するツールの「音声を文字で可視化するアプリ(UDトーク)」や、
「振動型の目覚まし時計」「筆談のボード」なども出てきます。
- ※聴神経腫瘍:片耳難聴の原因の1つでもある。両耳になることがごく稀にある
●星降る夜に(2023)
テレビ朝日系ドラマ。
産婦人科医の主人公と、生まれつき両耳が聞こえない遺品整理士の純愛ストーリー。
この作品でも、手話だけでなく、
「電話リレーサービス」という、聞こえない方や発話に困難のある方が通話をする際に、オペレーターが手話/文字と音声を通訳する場面が登場していました。
●音のない理髪店(2024)
実話に基づいて書かれた、小説。
ろうの祖父母を持つコーダの娘である作者が、
「“日本で最初の、ろう理容師” である祖父」を取り上げました。
大正時代に生まれの祖父が、当時としては前例のない障害者としての自立を目指し
日本で最初に創設された「聾学校理髪科」に進む様子などが描かれています。
コーダ(Children of Deaf Adults)
最近では、聴覚障害の親を持つ子ども(=コーダ)をテーマにした作品も増えてきました。
●デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士 (2023)
書籍がドラマ化。
コーダの主人公が、手話通訳士として働く中で事件と対峙する社会派ミステリー。
この作品も、実際に当事者が演じ、エキストラ含めると約30人が登場しているそうです。
ろう・難聴者向けに情報保障※なども整備された俳優養成講座「デフアクターズ」の卒業生などが活躍されたとのこと。
●ぼくが生きてる、ふたつの世界(2024)
自伝的エッセイが映画化。
コーダである主人公が、両親の通訳をするのが当たり前だった幼い頃から
成長と共に、周囲や家族との間での葛藤やそこから織りなす関係性を描いています。
また、厚生労働省ともタイアップしており、
「手話通訳等の意思疎通支援者」の普及啓発の一環ともなっています。
「バリアフリー上映」も各地で行われました。
●コーダ あいのうた(2022)
アメリカ合衆国・フランス・カナダで制作された映画。
家族は全員がろう者で、一人だけ耳が聞こえるため周りとの通訳を担う主人公。
通訳と自分の夢の両立ができず悩みますが、最後には家族の理解も得て、夢に向かって歩き始める感動作です。
アカデミー賞など多数を受賞し、
メインキャストとして3人の当事者が出演していたうちの1人に、助演男優賞を贈られました。
●私だけ聞こえる(2022)
ドキュメンタリー映画。
アメリカのコーダのコミュニティーを取材し、15歳の子ども達の3年間を追った作品。
音のない世界と聴こえる世界の間で居場所をなくしたコーダたちが、揺らぎながらも成長していく姿が映し出されています。
なお、手話は地域・文化的な違いがあるため
ここで使われている手話は「アメリカ手話(ASL=American Sign Language)」で、日本手話と異なります。
他にも、両耳が聞こえない主人公やコーダが登場する作品は、多数あります。
下記は著者は読めていませんが、参考までに。
その他の作品
様々なチャンネルを通すことで、
より多くの人に聞こえの多様性について触れるきっかけができればいいなと思います。
皆さんもご存知の情報や感想があれば、ぜひお便りフォームにお寄せください!
読書会がやりたい!といったリクエストもお待ちしています◎
- ※ろう者
-補聴効果がほとんどない聴力(100㏈以上)を「聾」と表すこともある。
-ひらがな表記の「ろう」「ろう者」と表す場合、
「手話を第一言語、または主なコミュニケーション手段とする言語的少数者」であり、
聴力の程度とあまり関係なく用いる。
※コーダ
聞こえない、または聞こえにくい親を持つ、聞こえる子どものこと。 - ※情報保障
- 主に視覚障害と聴覚障害のある方が、情報を入手する時に必要なサポートを行うこと。

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きこいろとは?
2019年に発足した日本で初めての片耳難聴の当事者を中心とした任意団体(ボランタリー組織) 。
「聞こえ方は、いろいろ」略して「きこいろ」。
片耳難聴に関する情報発信・啓発活動、毎月の交流会や勉強会などを行っている。
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片耳難聴とは?
片耳は正常聴力。
もう一方の耳に、軽度~重度(聞こえにくい~聞こえない)の難聴がある状態。
医学的診断名では「一側性難聴」「一側聾/片側聾」。
きこいろでは、当事者以外にも馴染みやすい総称として「片耳難聴」を使用。
詳しくは書籍もご覧ください!
