in東京!片耳難聴ブース出展「中途失聴・難聴者の集い」レポ

2026年2月28日 − Written by きこいろ編集部

「両耳難聴と片耳難聴では、それぞれ違った悩みがあるのだろうと思う」といった言葉も多く聞かれた、NPO法人 東京都中途失聴・難聴者協会主催の「東京都中途失聴・難聴者の集い」。

本イベントは、両耳の「ろう」「中途失聴者」「難聴者」が主な対象でしたが、今回きこいろにもお声掛けいただきました。

同じ「聞こえ」に関する当事者同士や関係者でも、「片耳難聴のことは、よく知らない」…。そんなことも多々あるのが現状のため、片耳難聴のPRとなればと思い、初めて出展させていただきました。

全体来場者は約300名と盛況の一日。この記事では、一部を紹介します。


  • *ろう:医学的には、聴力が残っていない状態(補聴器を使っても聞こえない)。
  • *ろう者:手話を主な言語とし、文化やアイデンティティを持つ人。聴力の程度に関わらない。
  • *中途失聴者:大人になってからなど、人生の途中で聞こえなくなった人。話せるが聞こえない、手話を習得していない人が多い。
きこいろ運営メンバー

東京都中途失聴・難聴者協会とは

都内在住の聴覚障害のある方々の福祉の増進と生活・文化の向上を図る事業を行い、地域社会に寄与することを目的に活動している団体です。

聴力低下でお悩みの方への相談支援や、補聴器・補聴援助システムに関する情報提供、学習会や講演会の開催、行政への施策提案などに取り組んでいます。

「東京都中途失聴・難聴者の集い」とは

毎年主催している本イベントは、今年で37回。今年のテーマは「小さな一歩が、誰かの希望に」でした。

聴導犬のデモンストレーションや、企業・支援団体の出展で補聴器や人工内耳・情報保障機器の紹介、また手話によるサービスの体験、記念講演などが行われました。

会場には、話の内容をその場で文字にして伝える「要約筆記」や手話と音声を交互に通訳する「手話通訳」の担当者が多く配置されており、さまざまな聞こえの方に配慮された運営がなされていました。

  • 日時:2026/02/15 (日) 10:00-16:00
  • 会場:東京たま未来メッセ 展示室 
  • 詳細:主催者WEB https://www.tonancyo

きこいろのブース

私達のブースにも、片耳難聴の当事者の方はもちろん、
家族や友人、片耳難聴について初めて知る方など、多くの方々が足を運んでくださいました。

いただいた声や質問

  • 実は、私も片耳難聴で…
  • 友人が片耳難聴で、どのような配慮をすればよいのでしょうか?
  • 片耳難聴は「難聴」や「ろう者」とはどのように違うのですか?
  • 片耳難聴で「補聴器は必要ない」と言われたのですが、使用できる聴覚補償機器はあるのですか?

共通点もありながらも、「両耳難聴」と「片耳難聴」との違いの一つ挙げるとすると、コミュニケーション方法であると感じました。

特に、両耳が聞こえない「ろう」や「中途失聴者」は、音声でのコミュニケーションが難しい場合があるため、手話や文字など視覚情報を用います。

一方で、片耳難聴の場合は、片側の耳が正常聴力で聞こえるため、音声によるコミュニケーションが中心がほとんどです。

もちろん、両耳難聴の方でも軽度難聴や中等度難聴で残存聴力がある方や、補聴器や人工内耳を使用している方は、音声活用が主である場合も多くあります。

一言で「聴覚障害」「聞こえ方」といっても、個々や周囲の環境によって異なります。その人に合ったコミュニケーション方法やサポートの必要性を、このイベントを通して改めて実感しました。

展示した「片耳難聴」の書籍はこちらhttps://kikoiro/book

ブース出展(他団体)

補聴器・人工内耳メーカーの「日本コクレア」や「メドエルジャパン」各社のブースでは、製品の特長について詳しい説明を受けることができました。

また「火災報知器」や「玄関チャイム」の音に気づけないことに対する支援機器(光や文字、振動などで伝える)の展示が、「東京信友」や「EXEO TECH」のブースで行われていました。

さらに化粧品メーカー「SHISEIDO」では、手話での接客が可能なスタッフによるメイクアップ体験が行われていました。


音ではなく「光」「文字」で伝える:EXEO TECH

聴導犬 デモンストレーション

生活において重要な音を「タッチ」やさまざまな「動作」で知らせ、聴覚障害者の生活をサポートをするのが聴導犬です。

日本では、1980年代に育成が始まり、 2002年「身体障害者補助犬法」施行により、同伴について社会の受け入れが義務づけられるようになりました。現在は、約50頭が活躍しています。

会場では実際に、社会福祉法人日本聴導犬協会によるパフォーマンスが行われ、目覚まし時計を鳴らし、横になっているユーザに音が鳴っていることを伝える様子を見ることができました。

また、実際に聴導犬と生活している当事者のリアルなお話も聞くことができました。

日本補助犬情報センター

記念講演

IT技術やプロダクトの価値をユーザにわかりやすく伝え啓発する、ITエバンジェリストである若宮正子さんによる記念講演も行われました。

昨今のITやテクノロジーの急速な発展により、聴覚支援機器の進化の話を交えつつ、人生に「もう遅い」はないというテーマでお話くださりました。

全体を通して

「聞こえ方」が人それぞれ違うように、人によって必要なサポートも異なると、改めて実感しました。必要な人に必要な支援が届き、誰もがよりよく過ごせることが当たり前になれば、と感じています。そのためにも、これからも皆さんと共に聞こえについて学んでいきたいと思います。

イベントを開催してくださった主催者の皆さん、来場くださった皆さん、ありがとうございました!

きこいろでは、こうしたイベント出展やコラボなども随時受付ています。気軽にお声掛けください(問合わせフォーム)


  • 執筆)ボランティアメンバー 安立
    両耳が聞こえる20代。筑波大学大学院修士課程在籍。両耳難聴の友人がいることがきっかけで、手話を勉強したり、聴覚障害者支援に興味を持つ。2025年よりきこいろのボランティアメンバーとして活動。

片耳難聴とは

  • 片耳は正常聴力。
    もう一方の耳に、軽度~重度(聞こえにくい~聞こえない)の難聴がある状態。
  • 医学的診断名では「一側性難聴」「一側聾/片側聾」。
  • きこいろでは、当事者以外にも馴染みやすい総称として「片耳難聴」を使用。
  • 少なくとも全国に36万人以上がいると推定(きこいろ調べ)。
片耳難聴のリーフレット各種はこちらhttps://leaflet-kikoiro

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