片耳難聴と「めまい/耳鳴/補充現象」オンライン交流会レポ

2026年9月30日 − Written by きこいろ編集部

全員に起こるわけではありませんが、
聞こえなくなった原因などによって生じることもある片耳難聴の付随症状。

「交流会(片耳難聴Cafe)」のテーマとして話した内容の一部の紹介と、補足情報をこの記事でお届けします!

詳細:アーカイブ記事「難聴に伴う症状」


当日は、1グループ7名+運営でお話。
計3グループで20名以上、20~60代以上の方が参加しました。
後天性で大人になってからや、最近片耳難聴になった方がほとんど
でした。

主に話したこと

  • 少し前に突発性難聴で片耳が聞こえにくくなり、耳鳴りもわずらわしかった。
    難聴側も聴力が残っているため補聴器を使ったところ、段々と少し耳鳴りにも効果を感じるようになった。
  • 聴神経腫瘍の手術を機に、片耳が聞こえなくなり、耳鳴りもある。
    無音や意識を向けると余計に気になるメカニズムということで、
    ラジオをかけたり、仕事や趣味に集中しているときは気にならないこともある。
  • 数年前に右耳難聴になり、発症当初から耳鳴りが続いている。
    少しずつ慣れはしたが、睡眠不足だと悪化するなど心身のコンディションによっても変わる。

  • *補聴器
    装用によって脳の過敏な状態を和らげる効果もある。耳鳴りを気にならなくさせるため自然音などを流す機能が搭載されている機器もある。
    詳細:アーカイブ記事「片耳難聴にも使える補聴機器」

補充現象

  • にぎやかなスーパーや大きなお店などは音が頭に響いて苦手。
    いつもノイズキャンセリングの耳栓をお守り的に持ち歩いている。聞こえる方の耳にすると少し改善される。
  • 元々、読書など一人でできるインドアな趣味が好きなため
    うるさい場所には行かないで済み、ストレスは少ない方だと思う。
  • 周りの人に、難聴以上に理解されにくい。
    それで疲れてしまうことがあるが、家族に説明してもイメージがしにくいよう。
    自分でも、最初はこの不快感が何か分からず、きこいろで情報を見て知った。

  • *ノイズキャンセリング
    人の声などは聞こえるまま、周囲の不快な雑音や騒音を和らげる機能。
    詳細:アーカイブ記事「音楽を楽しむ時のヒント」

めまい

  • 急性低音障害型感音難聴と最初は診断されたが、
    その後メニエール病となり、グルグル回転性のめまいや、耳がこもる感じの耳閉感も定期的にある。
    専門医にかかり、めまいは「中耳加圧器治療」を行い良くなってきた。
  • 難聴由来のめまいではないが、良性発作性頭位めまい症になったことがある。
    頭の位置を変えたときに数秒から数十秒ほど「ぐるぐる」と回るもので
    1分もせずに収まるが、最初は原因が分からず慌てた。

  • *中耳加圧器治療
    耳の中に機械で圧力をかけ、貯まったリンパ液の排出を促し、めまいを軽減させる医療機器。
    詳細:アーカイブ記事「メニエール病」
    *良性発作性頭位めまい症
    繰り返すめまいの中で最も多い。聴力の低下は起こらない。耳石が動いた影響で起こる。
    詳細:アーカイブ記事「メニエール病と似ている病気」

「耳鳴り」をもっと詳しく!

今回、困っている本人も意外と情報や知識を知らない…ということが分かりました。

耳鳴りの発生メカニズムイメージ

以下に、改めて特に耳鳴りについてまとめました。

起こる頻度

・約80%の聴力が正常で耳鳴りのない人でも、静かな環境では耳鳴りのような音を聞くと言われている。

・日常生活の中で、慢性的な耳鳴りがある人は人口の10-15%。そのうち重度なのは2~3%。耳鳴りがある人でも、すべての人が悩んでいるわけではない。

神経生理学モデル

起こる原因

・意識するほど、また不安などのネガティブな気持ちによって、耳鳴りの認知を強化してしまうメカニズムがある(神経生理学的モデル)。

・聞こえにくさから起こる場合は多いが、
伝音性難聴(音の振動を伝達する役割をしている外耳・中耳に原因があり、音が小さく聞こえる)に起因する耳鳴りは少ない。

・難聴以外にも要因はあるため、
いつもと違う耳鳴りや悪化する場合、病院受診をしたことがない場合は、医師に相談が必要。

さまざまな要因の例

  • ストレス、疲労
  • 心因性難聴
  • 全身性疾患(貧血、甲状腺機能、ビタミン不足、妊娠など)
  • 脳などの病気(「硬膜動静脈瘻」では、「ザーザー」「グワングワン」といった拍動性耳鳴り:血液の流れる音が直接耳に響いている状態が起こる場合もある)
  • 交通事故などによる頭部外傷後(鼓膜の奥にある耳小骨がずれたり、さらにその奥の細胞が傷つくことで、難聴が起こった場合にも耳鳴りが生じることがある)

受診と治療

・耳鳴り診断には、鼻・のどの診察も行う。
受診時には、病歴、症状の経過(いつから、どんなときに気になるか)、部位(左右の耳や頭全体か)などを伝えるとよい。

・100%消すことは現在の医療では難しいが、改善・生活に支障を出さないよう軽減することはできる。
 
・耳鳴りにフォーカスするのではなく、
気をそらすことが大切。そのための方法として「音響療法:脳に届く音の量を増やす」が有効。静かな環境を避けたり、補聴器の利用も含まれる。(音楽など環境音をかけるときは、耳鳴りを完全に覆わない7~8割位の音量が推奨)

・薬の効果はあまりなく、
サプリメントや食品でも有効性が証明されているものはない。鍼治療も医学的なエビデンスはない。

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交流会参加者の感想

  • 皆さんの体験を聞き、一人ではない…とホッとしました。
    時間の経過とともに順応されていった方のエピソードや
    初めて知る情報もあり、少しは改善できるのではと希望が持てました!
  • 片耳難聴も、人それぞれですが
    耳鳴り・めまい・耳閉感などの感じ方も人によって違いがあると知ることができました。
    自分にあった対応をすることが大切だと思いました。


感想や質問などは、お便りフォームへお寄せください。

片耳難聴とは

  • 片耳は正常聴力。もう片方の耳が聞こえにくい/聞こえない状態のこと。
  • 医学診断名では、「一側性難聴」や、
    難聴側が重度(聞こえない)の場合は「一側聾」ということもある。
  • きこいろでは、当事者以外にも分かりやすい言葉として総称して「片耳難聴」を使用している。
    *難聴:軽度(聞こえにくい)~重度難聴(全く聞こえない)まで程度はそれぞれ。全く聞こえない場合に「聾」を使う場合もある。

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